高校生から本格的に始まる世界史の勉強。
世界史は、世界の成り立ちや偉人伝の話が聞けて、好きな人にとってはとても楽しい教科です。
一方で勉強となると、定期テストが全然できない、受験のために使いたいけど勉強方法がわからない、範囲が終わることが遅い…など、悩んでいる高校生も多いと思います。
そのため、今回は高一生が良く悩む定期テスト対策や受験対策について解説していきます。
今回の記事を読めば、定期テストで高得点をとり成績を上げることも、本番の受験で高得点をとり憧れの大学に入学することもできます。
この記事を書いている僕は、大学・大学院と歴史を専攻し世界史講師・教師をしてきました。指導した生徒は、偏差値73.6や共通テスト(旧センター試験)で95点、MARCH以上の私大入試で9割以上をとり、志望校に合格した生徒がいます。
これまで自身で勉強したことや指導してきた知見・経験を分析したことがベースとなっているので、みなさんの学習の参考になると思います。
高一世界史の定期テスト(試験) 勉強方法
早速悩みの多かった高一の定期テスト対策ですが、本気で解説すると長くなってしまうので、ここでは勉強方法だけざっくりと解説していきます。
もし、「やってはいけない勉強法」やもっと細かい話を知りたい人は、別の記事で解説しているので、下記の記事を参考にしてください。
世界史の定期テストで必要な参考書・問題集
定期テストで必要な参考書は大きく分けて二種類、流れを理解するための参考書(どちらか1冊)と解くための問題集(どれか1冊)になります。
流れを理解するための参考書(どちらか1冊)
- 基礎からやりたい人:『ナビゲーター世界史』(おすすめはこちら)
- 教科書に苦手意識がない人:『詳説世界史B 改訂版』
このどちらかがおすすめです。
解くための問題集(どれか1冊)
- 授業のプリント、ノートが使いづらい人:『入試に出る 世界史B 一問一答』 Z会
- 世界史を得意にしたい人:『斎藤の世界史B一問一答 完全網羅版』学研プラス
- 授業で使ったプリント、ノート
です。
世界史定期テストの勉強方法
基本的に定期テスト対策は、
- 2週間~1週間前:テスト範囲の全体像や歴史の流れを理解する
- 1週間前~3日前:問題集や授業プリント、授業ノートを使い暗記する
- 3日前~前日:出来なかった・苦手だった分野を復習する
以上のように、「2週間~1週間前」・「1週間前~3日前」・「3日前~前日」と部分的に分けてやるべきことを考えると勉強がしやすいです。
では、具体的に勉強方法を解説しますね。
2週間~1週間前:テスト範囲の全体像や歴史の流れを理解する
「2週間~1週間前」には、「教科書orナビゲーター」を使って、テスト範囲の全体像や歴史の流れを理解しましょう!
おすすめの勉強方法としては、
- テスト範囲の『ナビゲーター』or教科書を読み、線を引いたり太文字の重要用語を覚える(『ナビゲーター』の場合は問題を解く)
- (ナビゲーターの場合は)1ページずつ解き、全部解けるまでやり直し、解けたら次のページに行く
です。
いきなり、細かい知識を暗記しようとしても、流れがつかめていなければ、暗記もしづらいです。
極端に言うと、マンガや映画をランダムな場面から見ているようなものになります。
(それで面白いって言う人もいて、それは楽しみ方としては良いですが、理解するには最初から見た方が良いですよね(笑))
なので、「歴史の流れ」=「因果関係」をインプットしてつかむと、この後の勉強もかなりスムーズになります。
「歴史の流れ」=「因果関係」とは、「ある出来事の原因と結果」のことになります。
この後の勉強を効率的に進めるためにも、「歴史の流れ」=「因果関係」を掴んでみてください。
1週間前~3日前:問題集や授業プリント、授業ノートを使い暗記する
流れを理解したあとの「1週間前~3日前」には、細かい暗記が必要になります。
ここでのポイントは、一冊の問題集を徹底的に何度もやることです。
いろいろ手をですと、何がなんだかわからなくなるので、
- 授業のプリント、ノートが使いづらい人:『一問一答』Z会
- 世界史を得意にしたい人:『一問一答』東進
- 授業で使ったプリント、ノート
を利用しつつ、勉強法として
- テスト範囲の授業プリントや授業ノート、一問一答を1ページずつ解き、全部解けたら次のページに行く
- 解く時に、持っている教科書やナビゲーター、資料集で地図や史料を確認する
(間違えた問題はその都度チェックを入れる)
を実践します。
「世界史の定期テストで必要な参考書・問題集」で紹介した問題集のどれかを徹底的に覚えましょう。
ここでじっくりとアウトプットして地力をつければ、100点も夢じゃありません。
3日前~前日:出来なかった・苦手だった分野を復習する
「3日前~前日」まできたら、これまでできなかった・苦手だった分野に絞り込んで復習をします。
勉強法としては、
- これまでにチェックをつけた問題や苦手分野のナビゲーターや教科書を読む
- 苦手分野、チェックをいれた問題を授業プリントや授業ノート、一問一答を使ってもう一度解く
を実践していきましょう。
歴史の場合は、定期テストも前日に頑張れば、点数がかなり上がりますので、最後まで諦めずに頑張ってください。
定期テスト勉強方法 まとめ
定期テストの勉強方法をざっくりおさらいします。
必要な参考書
流れを理解するための参考書(どちらか1冊)
解くための問題集(どれか1冊)
- 授業のプリント、ノートが使いづらい人:『入試に出る 世界史B 一問一答』 Z会
- 世界史を得意にしたい人:『斎藤の世界史B一問一答 完全網羅版』学研プラス
- 授業で使ったプリント、ノート
具体的な勉強法
2週間~1週間前:テスト範囲の全体像や歴史の流れを理解する
- テスト範囲の『ナビゲーター』or教科書を読み、線を引いたり太文字の重要用語を覚える(『ナビゲーター』の場合は問題を解く)
- (ナビゲーターの場合は)1ページずつ解き、全部解けるまでやり直し、解けたら次のページに行く
1週間前~3日前:問題集や授業プリント、授業ノートを使い暗記する
- テスト範囲の授業プリントや授業ノート、一問一答を1ページずつ解き、全部解けたら次のページに行く
- 解く時に、持っている教科書やナビゲーター、資料集で地図や史料を確認する
- 間違えた問題はその都度チェックを入れる
3日前~前日:出来なかった・苦手だった分野を復習する
- これまでにチェックをつけた問題や苦手分野のナビゲーターや教科書を読む
- 苦手分野、チェックをいれた問題を授業プリントや授業ノート、一問一答を使ってもう一度解く
と、なります。
部活との両立で悩む人もいると思いますが、両立するためにも早く始めることが定期テスト対策の一番の方法です。
面倒くさがらずにやれば、満点も無駄じゃないので、この方法を実践して定期テスト頑張ってください。
また、もっと詳しく定期テストの勉強について知りたい!という人は、下記の記事を参考にしてください。
高校一年生からの世界史の受験対策
高一から受験生としての意識をもつことは、合格のためにはとても良いことです。
ただ、一方で世界史の大学受験の勉強をはじめるに当たってはいくつか、おさえておかなければいけないポイントがあるので、解説をします。
基本的には世界史の受験勉強は、高二からでも良い
僕は世界史の受験勉強を始めるのは高2からでも問題ないと思っています。
理由は2つ。
- 「英語、国語、数学の主要科目の方が学力をつけるのに、時間がかかるから」
- 「社会(地歴公民)の方が配点が低い大学が多いから」
です。
どういうことかというと、➀の「英語、国語、数学の主要科目の方が学力をつけるのに、時間がかかるから」の場合、今あげた主要三科目は勉強しても学力がすぐには伸びません。
一方で、社会科目は後半から勉強しても学力がすぐにつくので、高2から勉強しても間に合います。
次に、②の「社会(地歴公民)の方が配点が低い大学が多いから」というのは、基本的に日本の大学で社会の配点が高い学部は「文学部」であることが多いです。
ただ、経済学部や国際系学部は、最近英語の配点が高いので、英語に力を入れることが合格までの一番の近道になるため、世界史の勉強は後から始めても間に合う、ということです。
と言っても、「実際にどのくらいに始めれば良いのかの目安が欲しい」という人もいると思うので、志望校ごとの目安をざっくりとですが、紹介します。
志望校ごとの目安の時期に関しては、下の表を想定しています。
志望校ごとの世界史の受験勉強をはじめる目安の時期
志望校 | 始めるのに理想的な時期 | 遅くとも始めたい時期 |
---|---|---|
共通テストのみ/日東駒専/産近甲龍/ | 高2の冬 | 高3の夏 |
GMARCH中下位/関関同立 | 高2の冬 | 高3の春 |
GMARCH上位/早慶上智/難関国立 | 高2の秋 | 高2の冬 |
最難関国立(東京・京都・一橋・大阪・九州) | ー | 高2の秋 |
ほとんどが高2からなので焦る必要は全くありません。
なのでしつこいですが、世界史をやる時間があるのであれば、まず先に英・国・数(私立文系の場合は、英・国)に時間をかけましょう。
どうしても受験勉強を始めたい人は、一年のうちは下記の大学以外は必要なし!!!
ちなみに、「どうしても高一のうちから世界史をやりたい!」という人は、下記の大学が志望校の人だけで良いです。
- 最難関国立=東京・京都・一橋・大阪・九州
- 難関国立=名古屋・筑波・千葉・東京外語・東京都立・京都府立大学
- 最難関私立=早稲田・慶應
なぜなら、これらの大学は世界史の配点が高かったり、世界史で難しい問題が出題されたりするからです。
国立の場合、「二次試験」と呼ばれる大学独自の世界史の試験があり、記述・論述問題が出題され、難易度が高いです。
私立(早稲田・慶應)場合、は3科目で社会の配点が高く、また細かい知識が問われるので難易度も高いです。
そのため、これらの大学を受験する場合、世界史を早くから対策することは有益です。
高一からの世界史受験勉強の方法
仮に高一から受験勉強を始める場合、授業を受けておらず、また模試もないので、自身で予習と参考書を使って勉強をすることになります。
なので、必要な参考書と予習方法を簡単な3ステップで紹介します。
ステップ➀:世界史の勉強に必要な<三種の神器>を集める
上記であげた<三種の神器>は世界史受験生なら必ずそろえましょう。
大きく分けると、「教科書or参考書」・「資料集」・「一問一答」になります。
なぜこの三種類をそろえるかというと、基本から難関大受験までの必須知識がすべてつまっているからです。
教師になった今でも常に手元にあります。
勉強法としては、教科書・資料集を読む(インプット、記憶)→一問一答を解く(アウトプット)の順番に使ってください。
よく言っているのですが、この<三種の神器>と運命をともにする気持ちで勉強すれば、合格できます。
ステップ②:ムンディ先生の「世界史20話プロジェクト」で予習する
youtubeで世界史の動画講義を配信しているムンディ先生の授業。
現役教師でもあるムンディ先生の動画だけで、世界史の基礎はほぼ学ぶことができます。
注意点は、この授業の知識だけだと上記で紹介した難関大には足りません。
なので、上記で紹介した一問一答と組み合わせると、難関大対策にもなり、動画を更に効果的に活用できます。
無料でこんな有益な動画を活用しない手はないです。
ステップ③:予習後問題を解き、知識を定着させる
ムンディ先生の予習が終わったら、<三種の神器>の一問一答を使って知識を定着させましょう。
余裕がある人は、下記の『世界史基礎問題精講』を解いて、問題演習をすることもおすすめです。
この問題集は、ちょうど偏差値50~60を目指せる内容で、国立対策の基礎や私立大学の入試問題に対応しています。
一年生の内にこの問題集を1周することができていれば、受験も傾向もわかり、大学受験の大きなアドバンテージになります。
※更に詳しく志望校対策をしたい場合
更に詳しく志望校知りたい場合は、「受験のプロが徹底解説!共テから東大までの世界史独学法!」を是非参考にしてください。
英・数・国を対策したいなら
上でも説明した通り、高校一年生から受験を意識することは、合格するうえでとても大切です。
特に、一年生のうちはまずは英・国・数を固めましょう。
受験対策に本格的に取り組みたい生徒に、僕はいつもスタディサプリを勧めています。
理由は、
- 映像授業としてのコスパや内容が非常に高いから
- GMARCH以上の私大や難関国立の進学実績が豊富だから
です。
月額で約2000円のベーシックコースと月額で約1万円の合格特訓コースがあり、どちらも有益です。
映像授業のクオリティが高く、特に関先生の英語の授業は、英語が苦手な僕でもその日のうちに理解できる程のわかりやすさでした。
また、難関私大や国立への進学実績も豊富なので、信頼性もあります。
2週間の無料体験もあるので、合わなければその期間中に解約すればすべて無料でサービスを受けることができますので、試しに受けてみて解約するのもありです。
映像授業に迷っている人は、下記の記事で選び方を解説しているので、参考にしてください。
まとめ
最後に今回の記事の内容を整理します。
定期テストでは、
定期テスト勉強法
- 2週間~1週間前:テスト範囲の全体像や歴史の流れを理解する
- 1週間前~3日前:問題集や授業プリント、授業ノートを使い暗記する
- 3日前~前日:出来なかった・苦手だった分野を復習する
を意識して勉強しましょう!
定期テストの詳しい勉強方法を更に知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
また受験の場合は、しつこいですが高校一年生のうちは英・国・数に注力しましょう!
仮に高一から世界史の勉強したい場合は、
高一からの受験勉強法
- ステップ➀:世界史の勉強に必要な<三種の神器>を集める
- ステップ②:ムンディ先生の「世界史20話プロジェクト」で予習する
- ステップ③:予習後問題を解き、知識を定着させる
を実践してください。
また、世界史受験の勉強方法を知りたい方は、ある記事の>>「志望校対策のための世界史独学勉強法」で解説しているので、参考にしてください。