「大学受験の世界史で、MARCHのレベルを知りたい…」、「MARCHレベルの世界史の勉強法・対策法が知りたい…」と悩んでいる受験生もいるのではありませんか。
MARCHの世界史は実際のところ、日本の大学入試の中でも難しく、私立大学では間違いなくTOP10に入るほどの難易度です。
そのため、適切な勉強法を知り取り組むことが合格への近道になります。
この記事では、実際にMARCHの世界史がどれくらい難しいのかを紹介するとともに、合格するための勉強法や参考書を解説します。
(同時に関関同立も解説しているので、志望している受験生は活用してください。)
この記事の執筆者
ちなみに、この記事を書いている僕自身、偏差値40台の高校からMARCHと国立に合格しました。
また、指導歴では受験の指導は9年目、偏差値73.6や共通テストで95点、模試13点から1年で立教大学に合格した生徒、3か月で模試60点から青山学院大学に合格した生徒がいます。
この記事の内容は、全て実際に合格するために役立ったものになりますので、参考にしてみてください。
具体的な勉強法や参考書が知りたい人はこちらへ。
偏差値40から世界史をMARCHレベルにすることは可能なのか?
結論から言えば「可能」です。
しかも、偏差値40台からの逆転合格はMARCHに行くと、よく聞く話でもあります。
(実際僕もMARCHでしたが出身高校は50未満の偏差値。
大学の同級生では偏差値30台の高校を中退した、ほんとにマンガに出てくるような元ヤンキーもいました(笑))
ただ、誰でも受かれるわけじゃありません、受かるにはちゃんとした理由があります。
勉強法と努力量を間違えなければ可能
合格には、正しい勉強法としっかりとした努力が必要です。
(先ほどの紹介したヤンキー友人も、中退した後予備校に通い、必死で勉強したと言っていました)
「じゃあやり方がわからない自分じゃだめか…」と心配しないでください。
これまで僕が指導してきた生徒は、偏差値が元々40台だった生徒や一年前に世界史の模試の点数が13点だった生徒もいます。
そんな生徒もこれから伝える方法でMARCHに合格できたので、今回の記事を何度も読み直して実践してください。
MARCH世界史の難易度について
具体的な勉強法に入る前に、実際のMARCHの世界史の難易度について解説します。
そうすれば、自分がどのレベルやどんな内容の勉強をすれば良いか、しっかりと納得できるからです。
MARCHの偏差値
まずは偏差値から紹介します。
※「世界史だけの偏差値」は基本的に存在しないため、大学の平均偏差値をそのまま紹介します。
順位 | 大学名 | 偏差値 |
---|---|---|
1位 | 立教大学 | 64.0 |
2位 | 青山学院大学 | 63.0 |
3位 | 明治大学 | 62.9 |
4位 | 中央大学 | 61.2 |
5位 | 法政大学 | 60.8 |
平均で見れば、一番MARCH内で偏差値の高い大学は立教大学でした。
確かに、立教大学は近年、受験の英語対策が難化しているので、偏差値が上がっているのは当然かもしれません。
また、青山学院大学が次点に来ています。
青学も近年入試改革に取り組み、全体的な難易度が上がっています。
(後述しますが、MARCH内の世界史で一番難しいのは、「青山学院 文学部 史学科」です。)
そのあとに、明治>中央>法政と続きます。
ただこの表はあくまで、全科目の偏差値を平均化したものなので、世界史の難しさをあらわしたものではありません。
なので、次から僕がこれまで見てきたMARCHの問題の中で、難しいものをランキングにして、紹介します。
MARCH世界史の難易度
では、世界史の難易度はどうでしょう。
実際、これまでの世界史を指導し続けてきた僕がつけたランキングを紹介します。
学部別ランキング(TOP5)
このランキングは以下の観点を使ってつけました。
ランキングの観点
- 難易度:「合格点の取りにくさ」
- 根拠:単語の難易度/正誤問題の難易度/資料や地図の難易度/論述の難易度
順位 | 学部・入試形態名 | 特徴 |
---|---|---|
1位 | 青山学院大学 文学部 史学科 | 論述問題がMARCH最難度 |
2位 | 明治大学 政治経済学部 | 正誤問題・論述問題の難易度が高い |
3位 | 明治大学 情報コミュニケーション学部 | 正誤問題が難問 |
4位 | 立教大学 同一学科入試 | 記述・正誤・資料問題の総合力が高い |
5位 | 法政大学 現代福祉学部・社会学部など | 正誤問題の「全て正解の場合」が難しい |
となります。
1位の青山学院の史学科は、推薦もそうですが、入試改革により圧倒的に難しくなりました。
特に400字の論述問題が、難関国立の滑り止めのような出題をしてきます。
この問題が出来ないと受からないので、ダントツの1位です。
2位の明治大学政治経済学部は、ほぼマークではありますが、その正誤問題がやや難しいことと、毎年200字以上の論述問題が出てきます。
特に論述問題に関しては、解けないと合格点には届かないので、対策する必要があります。
正誤問題の難易度、論述問題の難易度の点から第2位になります。
3位の明治大学情報コミュニケーションは、記述とマーク問題が出題されます。
中でも、マークの正誤問題がたまに超難問が潜んでいることがあります。
この超難問が解けずとも、合格は出来るのですが、全体的な正誤問題の難易度が高いので、3位としました。
4位の立教大学は、論述問題はありませんが、記述・正誤・資料問題がバランスよく出題されており、世界史受験の総合力が必要です。
1~3位と比べ飛びぬけて難しいわけではないので、4位。
5位の法政大学も正誤問題が多いですが、難しいのは正誤問題の際の「すべて正解の場合/すべて誤りの場合」が選択肢にあることです。
それこそ、MARCHの他の学部では8~9割取れるのに、法政のこの学部では5割という生徒もいました。
そのくらい正誤問題の選択肢は、相性が合わないと点数が取れません。
その他の難易度を鑑みて、総合5位。
1位から5位まで発表しました。
ただ、3位~5位は人によってはランキング多少変動すると思います。
正誤問題が苦手な人は法政が上がるかもしれませんし、全体的な総合力が欠けている場合は立教が上がるかもしれません。
結論:私大入試では間違いなく、早慶上智に食い込む難易度!
1位の青山学院大学の文学部史学科や2位の明治大学の明治経済学部は、世界史だけで見れば早慶上智にも食い込む難易度です。
(例えば、早稲田文学部・文化構想学部は、合格点は高いが問題の難易度自体はそこまで難しくない)
なので、上記の学部はなおさらですが、MARCHと思って甘く見ず、万全の対策をすることが必要になります。
MARCH受験をする上での3つ前提
そして、MARCHを受験するうえでこれは頭に入れておいて欲しい!という前提を3つ紹介します。
まずはマーク模試6割を目指す
これはどの科目やどの志望校でもそうですが、マーク模試6割を目指してください。
なぜなら、「マーク模試6割」がその科目の基礎がつき理解できるようになったとわかる基準だからです。
実際の勉強法は、下の「MARCH世界史で合格点・9割とるための参考書と勉強法」で解説しています。
まだ6割に到達していない人は、参考にしながら勉強してみてください。
MARCH世界史の目標点は「マーク模試で85%」
そして、最終的なゴールは「マーク模試で85%」になります。
現在の難易度だと、MARCHのマーク模試での合格ラインは82~88%になります。
MARCHも上位は、早慶並みの難易度になりますが、ボリュームゾーンとしては85%取れれば大体のMARCHは合格するので、安全圏は85%です。
※基本的にマーク模試の目標は下記の通りになります。
目標偏差値 | マーク模試の目標点(%) |
---|---|
55~57.5 | 80% |
60~63 | 85% |
65~ | 90% |
MARCHはパスナビ(河合塾)によれば、基本的に偏差値57.5~67.5の範囲内になります。
MARCHで番多い層が偏差値60~63になるので、基本的に85%を目標にすれば、大丈夫です。
でも、「先生…いきなり85%って言われても無理ですよ…」と思うと思います。
それはそうです(笑)
誰だっていきなり、「高得点をとれ!」と言われたら困ってしまいますが、これから書く勉強の順番を意識していけば着実に学力は身についていきます。
なので、下記のことを理解できるまでしっかりと読み込んでください。
基礎・応用・発展の勉強をする
MARCH対策の勉強をするには、基礎、応用、発展の3種類があります。
具体的に説明すると、
・基礎=マーク模試6割
・応用=マーク模試8割、MARCH合格レベル
・発展=マーク模試9割、一般受験で世界史を得点源(8・9割)にするレベル
となります。
特に、基礎と応用をしっかりと身につけることが重要です。
なぜなら基礎・応用ができないと、いつまでも安定した点数がとれない・発展の勉強しても基礎ができていないから身につかない、といったことになってしまうからです。
なので、この記事を見ている人で、まだ世界史で点数が取れない人は基礎からじっくりと、6割取れるようになってきたら応用の勉強をじっくりと、進めてみてください。
では、次に実際に使う参考書や勉強法を紹介します。
MARCH世界史で合格点・9割とるための参考書と勉強法
まずは勉強するにあたって、必要な参考書を紹介します。
必要な参考書
必要な参考書は主に下記の4種類です。
必要な参考書
- 最初から最後まで使う全員が使う<三種の神器>
- MARCH対策問題集:『世界史オンリーワン完成ゼミ』or『HISTORIA』
- 共テ&私大対策:共通テストの赤本・対策問題集
- 志望校対策:赤本(過去問)
全員使う<三種の神器>(教科書orナビゲーター/資料集/一問一答)
<三種の神器>
- 教科書:『詳説世界史B 改訂版』山川出版社or『ナビゲーター世界史』(全4冊、別冊問題集付、山川出版社)
※教科書でもわかる人は『詳説世界史B 改訂版』山川出版社
※教科書が難しい人は『ナビゲーター世界史』(全4冊、別冊問題集付)山川出版社 - 資料集:『ニューステージ 世界史詳覧』浜島書店
- 一問一答:『入試に出る 世界史B 一問一答』 Z会or『斎藤の世界史B一問一答 完全網羅版』学研プラス
※合格点を目指す人は『入試に出る 世界史B 一問一答』 Z会
※世界史を得意科目にしたい人は『斎藤の世界史B一問一答 完全網羅版』学研プラス
この<三種の神器>は、すべての世界史選択者・受験者におすすめの参考書です。
この参考書と運命を共にする、くらいの気持ちで受験に臨みましょう。
MARCH対策問題集:『世界史オンリーワン完成ゼミ』or『HISTORIA』
MARCH受験の問題主を選べ!と言われたら迷わずこのどちらかを選びます。
基本的な問題から私大特有の細かい問題も載っているので、MARCHレベルの世界史も十分合格圏内まで解けるようになります。
ただ、この2つはどちらもおすすめですが、選び方があります。
『HISTORIA』の方がレベルが高いのです。
なので、MARCHで河合偏差値62以上を受験する場合は『HISTORIA』を選んでください。
※パスナビ参照
もし、「志望校がいろいろあって決めきれない…」という人は、おおざっぱに、
- 明治、青学=『HISTORIA』
- 立教、中央、法政(、学習院、関関同立)=『世界史オンリーワン完成ゼミ』
と考えても大丈夫です。
共テ&私大対策:共通テストの赤本・対策問題集
仮に私大しか受けない場合でも共通テストは解いた方が良いです。
なぜなら、共通テストの問題は練られている良問が多いですし、私大の時系列や正誤問題の対策にもなります。
着実に勉強すれば実力が上がるのでやらない手はないです。
志望校対策:赤本(過去問)
早慶・MARCHになると、過去問の対策は相当重要です。
最後、過去問の習熟度が合格に直結するからです。
なので、マーク模試で6割取れるようになったら、過去問演習に取り掛かりましょう。
参考書を最大限活用した世界史の勉強法(基礎・応用・発展)
では、これから上記で紹介した参考書を活用した世界史の勉強法を解説していきます。
これが実践できれば、マーク模試6割から始まり8割、MARCH合格へと近づいていくので、しっかりと読みこんでください。
基礎=「マーク模試6割」を目指す三種の神器を使った「基礎勉強法」
まず三種の神器を使って、マーク模試6割を達成します。
手順としては、
「マーク模試6割」を目指す三種の神器を使った「基礎勉強法」の手順
- 教科書orナビゲーターをページを区切って読む(大体10ページくらい)
- ➀で読んだ単元を一問一答を1ページずつ解き、1ページで9割取れたら次のページに進む
- 丸つけ時は、資料集の地図や図・表・絵を確認しながら丸をつける
- ページごとに出来なかった問題を必ずチェックする
- テスト前や模試前にチェックした苦手個所を復習する
の順番に勉強してみてください。
応用=「マーク模試8割・MARCH合格レベル」を目指す勉強法
次に応用です。
応用は全部で3つのやることがあります。
正直ここが一番大変ですが、一番実力があがるところでもありますので、下記の勉強法を参考にしてください。
応用➀=MARCH対策問題集:『オンリーワン』or『HISTORIA』を解く
マーク模試6割まできたら、実際に『オンリーワン』を使って、問題演習をしましょう。
問題集を解く手順
- 『オンリーワン』or『HISTORIA』を一周解く(すでに授業や自分ででやった範囲だけでok)
- 解いたときに「日付、間違った問題」を書く、チェックする
- 2週目を解く、9割未満の単元をチェックする(9割出来たところは基本ok)
- 2週目を解いたときに、9割未満だった単元は「基礎勉強法」で復習して、再度解く
(9割取れるまで、上記を繰り返す)
以上が、MARCH対策問題集の勉強法です。
応用②=共通テスト対策:赤本・共通テスト対策問題集を解く
繰り返しになってしまいますが、共通テストの問題は練られている良問が多いので、しっかりしたやり方で勉強すれば、着実に学力があがります。
特に共テは世界史の範囲がすべて網羅されているので、自分の苦手分野を見つけるのにとても便利で、私大の対策にも役に立ちます。
なので、そのまま何も考えずに、「解く→復習」だけだと非常にもったいないです。
やり方次第で学力が変わってくるので詳しい勉強法をお伝えします。
共通テストの勉強法
- 過去問or対策問題集を3年分解く
- 間違えた問題を答えにチェックする
- 間違えた問題の単元を自分の使っている問題集にチェックする
- 問題集や一問一答を使って復習する
この方法で勉強すれば、共通テストも私立大学もどちらも対策することができます。
応用③=志望校対策:赤本(過去問)を解く
赤本(過去問)を解く手順
- 赤本3~5年分一度解く
- 赤本で間違った単元を、「基礎勉強法」や問題集で復習する
- 赤本で満点を取れるまで復習する
ここまでやれば、マーク模試8割やMARCHの一般入試で合格点を取ることが出来るようになります。
※注意:論述が出るMARCH学部は対策必須
本来なら発展レベルですが、自分の受けるMARCHの学部で論述が出題される場合、論述対策をしなければ手も足も出ないので、ここで解説しておきます。
ちなみに、MARCH(+学習院・津田塾)で論述が出る学部は、現在下記のとおりです。
MARCH(+学習院・津田塾)で論述が出る学部 一覧
- 明治大学政治経済学部 [明治大学はすべて一般選抜]
- 明治大学国際日本学部
- 明治大学商学部
- 中央大学法学部 [一般、英語外部検定試験利用]
- 中央大学経済学部 [一般、英語外部検定試験利用]
- 学習院大学文学部 [コア]
- 津田塾大学学芸学部 [A方式]
- 青山学院大学文学部(史学科)
これらの大学・学部は論述対策しなければ合格点を取ることができません。
※詳しく知りたい方は、下記の記事にまとめているので、自分の行きたい学部・学科があったら参考にしてください。
発展=「マーク模試9割、世界史を得点源(8・9割)にするレベル」にする勉強法
最後に発展です。
ここまで完璧であれば、マーク模試でも9割、MARCHの一般入試でも8・9割を目指すことができます。
ここでやることは、「正誤問題対策」です。
正誤問題対策
正誤問題対策も時間がある人がやってみましょう。
やり方を一言で言うなら、「正誤問題の良問を解くこと!」です。
下記が志望校に合わせた正誤問題の良問がでる大学です。
※時間がない人は(良問)だけ解こう!
<正誤問題難易度表>
難易度 | 過去問をやるべき大学・学部 | 志望校 |
---|---|---|
難 | ・明治情報コミュニケーション・早稲田国際教養学部(やや難~難)?? | |
やや難 | ・早稲田法学部(やや難~難、特に良問) ・早稲田社会科学部(数問絶対に解けない難問・奇問あり、それは捨てる) ・早稲田人間科学部(標準~やや難) | ・早慶上智 ・GMARCH ・関関同立 |
標準 | ・法政スポーツ健康科学 ・早稲田教育(問題数は少ないが、特に良問) ・中大法学部 (良問) ・青山学院 全学部入試(良問) ・成蹊 経済(特に良問) ・成蹊 経営(特に良問) ・共通テスト=基準 | ・成成明学獨国武 ・日東駒専 ・共通テスト |
ここではざっくり説明していますので、もっと詳しく知りたい場合は、
まとめ
がっつり対策を書きましたが、ヘビーですね(笑)
ただ、しっかりと取り組めば結果がついてくるので、諦めずに勉強しましょう。
みなさんの合格を願っています。
以上もっちゃんでしたー!