受験生の99%が知らない【世界史 GMARCH 論述対策法】

受験生「GMARCHの世界史で論述問題が出るのかな…」
「そもそもどの大学でどんな問題が出るんだろう…対策方法も教えて欲しい…」


今回の記事はこんな悩みに答えていきます。

なぜなら、これから紹介する方法で僕自身も世界史の偏差値が10以上あがり、論述問題で8・9割と、とれるようになりました。
更に下記のような経験もあります。

この記事の執筆者

この記事を読むと

  1. 論述対策の重要性がわかる
  2. 論述問題が出題される大学・学部とその特徴がわかる
  3. 論述問題の対策法がわかり、合格点~9割の点数が取れるようになる

この記事を読み終わることで、「GMARCHの論述問題は合格点どころか、8割・9割ととれるようになる」状態になっています。

まず初めに誤解が無いように伝えておくと、「論述問題=文章で解答を書く問題」を指しています。
「マークではなく、解答を一問一答形式で記述する問題」ではない、ので、そこを踏まえて読んでもらえたら幸いです。

※「早く対策法を知りたい!」という人は、「GMARCH 論述対策の4ステップ」をクリックしてください!

目次

そもそも論述対策は必要なのか?

まず最初にそもそも論述対策は必要なのかをはっきりさせた方が、みなさんも納得して勉強できると思うので、解説しますね。

対策しないと手も足もでない

例えば、2021年度には明治大学でこんな問題が出ました。

<2021年度> 明治大学 政治経済学部
産業革命によって資本主義体制を世界に先駆けて確率したイギリスは、19世紀に入ると、地主と並んで政治経済の表舞台に立った産業資本家、そして社会的発言権を求める労働者階級の様々な運動を受けた諸改革をいち早く進めた。
ここでは、そのなかでも1830年代と1840年代におけるイギリス国内の政治経済改革がいかに進行したかを説明しなさい。ただし、論述においては以下の5つの語句すべてを使用すること。 200字以上240字以内。
(人民憲章 選挙法改正 航海法 工場法 穀物法)

今、何も見ず紙とペンだけで、この問題を解いてみてください。
恐らくほとんどの人が、100文字も書けないか、書いても採点基準にかからない答案になります。

このように解き方を知らないと、実際の受験会場でなにもできない可能性があります。

配点が高い(可能性がある)

採点基準は開示されていないため、あくまで予想ではありますが、世界史の論述問題は配点が高い可能性があります。

(「可能性がある」というのは、配点が開示されていないこと、学部によっては論述が出来なくても合格できる学部もあることためです)

例えば、明治大学政治経済学部の論述対策は合否に直結するくらい配点が高いです。

<明治大学 政治経済学部の世界史の問題構成>

・大問Ⅰ~Ⅲ:マーク、記述問題 合計21問
・大問Ⅳ:200~240字の論述問題 1問
 ➡計22問

この問題数を見る限り、数十点分は論述問題なので、対策は必須です。

対策は必要、解けないと受からない

  • 対策しないと点が取れない
  • 配点が高い

以上の理由から、対策しなければ合格点を取れない可能性が高いです。

GMARCH+津田塾 論述問題が出題される学部・学科

まず最初に、GMARCH+津田塾で論述問題が出題される学部・学科について紹介すると、以下の通りです。

【GMARCH+津田塾大学 世界史論述問題 出題学部】(2021年度)[入試方法]

・明治大学政治経済学部 [明治大学はすべて一般選抜]
・明治大学国際日本学部
・明治大学商学部
・中央大学法学部 [一般、英語外部検定試験利用]
・中央大学経済学部 [一般、英語外部検定試験利用]
・学習院大学文学部 [コア]
・津田塾大学学芸学部 [A方式]

・青山学院大学文学部(史学科)

になります。

では、これらの学部の問題がどのような特徴を持っているかをこれから具体的に解説していきますね。

※「早く対策法を知りたい!」という人は、「GMARCH 論述対策の5ステップ」をクリックしてください!

GMARCH+津田塾 各大学の問題の特徴

まず、GMARCH+津田塾の世界史の問題の特徴を紹介します。

明治大学[全て一般選抜] 論述問題が出題される学部と論述問題の傾向

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学部名解答形式出題傾向
政治経済学部マーク式、記述式、論述式範囲:通史(近現代で約70%)
分野:通史(特に政治史・外交史が多い)・文化史
地域:通史は欧米史、文化史はアジア史
国際日本学部マーク式、記述式、論述式範囲:通史
分野:通史(特に政治史・外交史が多い)・文化史
地域:通史は欧米史、文化史はアジア史
※英語での回答問題もあるが、難易度は高くない
商学部マーク式、記述式、論述式範囲:通史(近現代から約55%)
分野:通史(特に政治史・外交史が多い)・文化史(古代と中世で約60%)
地域:通史、文化史ともにアジア史が多い
経営学部マーク式、記述式範囲:通史
分野:通史(特に政治史・外交史が多い)・文化史(古代・中世から比較的多い)
情報コミュニケーション学部マーク式、記述式範囲:通史
分野:通史
文学部マーク式、記述式範囲:通史
分野:通史
法学部マーク式、記述式範囲:通史
分野:通史

まとめてみると、政治経済学部・国際日本学部・商学部で論述問題が出題されます。

論述問題の傾向

論述問題を見てみると、

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学部名出題例主な特徴
政治経済学部<2021年度>
産業革命によって資本主義体制を世界に先駆けて確率したイギリスは、19世紀に入ると、地主と並んで政治経済の表舞台に立った産業資本家、そして社会的発言権を求める労働者階級の様々な運動を受けた諸改革をいち早く進めた。ここでは、そのなかでも1830年代と1840年代におけるイギリス国内の政治経済改革がいかに進行したかを説明しなさい。ただし、論述においては以下の5つの語句すべてを使用すること。 200字以上240字以内。
(人民憲章 選挙法改正 航海法 工場法 穀物法)

<2020年度>
「アメリカ独立革命」がどのように実現されていったか、地図と以下の五点を参照しながら(省略)、200字以上240字以内で論述しなさい。

<2019年度>
第一次世界大戦は欧州世界に未曾有の惨禍をもたらしたため、その反省から戦後処理の過程では列強諸国の間で軍縮の動きが強まった。結果的には第二次世界大戦の勃発を抑止できなかったものの、こうした動きが歴史的に重要なものであったことは論を俟たない。すでに講和の基礎としてウィルソン合衆国大統領が提起した十四カ条や曽於結果創設された国際連盟も、軍縮の理念を反映したものであった。 では、第一次世界大戦後、戦勝国(ときいは他の国も含め)の間で締結された軍縮や戦争抑止に関する条約のうち、1922年、1928年、1930年には、それぞれどこでどのような内容が議決されたのかを述べなさい。併せて、戦勝国は敗戦国であったドイツに対して、軍縮や国際協調の観点からどのように対応したのか、上記の3条約以外で関連する2つの条約とその内容についても述べなさい。200字以上240字以内。
文字数:200~300字

範囲:近現代

内容:政治史・外交史
国際日本学部<2021年度>
「公民権運動」について3行(100字前後)以内で説明しなさい。

<2020年度>
「シーア派」について3行以内で説明しなさい。

<2019年度>
「三・一独立運動」について3行以内で説明しなさい。
文字数:100字前後

範囲:中世~現代

内容:政治史・文化史・社会史
商学部<2021年度>
国土回復運動について、3行(100字前後)以内で説明しなさい。

<2020年度>
三十年戦争について、3行以内で説明しなさい。

<2019年度>
百年戦争について、3行以内で説明しなさい。
文字数:100字前後

範囲:中世~近代

内容:政治史

明治大学の論述問題では、

  • 文字数:約100字/200~300字
  • 範囲:全範囲
  • 内容:政治・外交・社会(政治+文化)史

が例年出題されています。

中央大学 論述問題が出題される学部と論述問題の傾向

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学部名解答形式出題傾向
法学部マーク式、記述式、論述形式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史
経済学部マーク式、記述式、論述形式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史
商学部マーク式、記述式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史
総合政策学部マーク式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史
文学部マーク式、記述式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史

まとめてみると、法学部・経済学部で論述問題が出題されます。

論述問題の傾向

論述問題を見てみると、

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学部名出題例特徴
法学部
[一般、英語外部検定試験
<2021年度>
下線部f(イングランド銀行)について。1694年に設立されたイングランド銀行は国債を引き受け、それを金融市場で取引することで、イギリス財政を支えた。このことが、「第二次英仏百年戦争」とも称される戦争においてイギリスが優位を保つことが出来た要因の一つと考えられる。競争相手のフランスとて、国債の発行を行わなかったわけではない。イングランド銀行が取引するイギリスの国債と、フランスの国債を比較したとき、イギリスの国債の安定性がより高く評価されたがそれはなぜか。その理由を30字以上40字以内で説明しなさい。

<2020年度>
Ⅰ 文章の読み取りからの空欄穴埋め 15字以内。
Ⅱ8 台湾などの日本の植民地で、特に日中戦争以降実施された皇民化政策とはどのようなものか。具体例を2つあげ、その特徴を30字以内。
Ⅲ12 イギリスがグレゴリウス暦の採用を見送った理由を20字以上25文字以内。

<2019年度>
下線部e(12世紀の中国で流亡の人々が多かった云々)について。このとき、多くの人が流亡の身になったのはなぜか。以下の(A~C)の各語群にある語をそれぞれ1個以上用いて、35字以内で説明しなさい。
語群A 【唐 北宋 南宋 元】
語群B 【西夏 金 遼 西遼】
語群C 【臨安 長安 洛陽 大都】
文字数:20~50字前後

範囲:中世~近代

内容:政治・経済・社会史
経済学部
(経済、経済情報システム、公共・環境経済 )
[一般、英語外部検定試験利用]
<2021年度>
1⃣ 問15
波線部ア(白色革命に反対する革命)に関連して、この革命が対外関係の変化を通じて国際経済に与えた影響を70字以内で説明。

2⃣ 問22 波線部ア(中華民国時代の湖の開発)に関連し、蒋介石による上海クーデタ以後の全国統一家庭について、以下の語句をすべて用いて100字以内で説明しなさい。(北伐 山東出兵 張作霖 日本 張学良 国民政府)

<2020年度>
Ⅰ9 アレクサンドル2世が行った農奴解放について、以下の語句を全て用いて100字以内。
 (ミール 工業化)
Ⅱ1 モンゴル帝国と領土拡大の過程について、以下の語句をすべて使い120字以内。
 (チンギス=ハン、バトゥ フラグ オゴタイ 西夏 金 ロシア アッバース朝 ホラズム=シャー朝 ワールシュタット)

<2019年度>
1⃣ 問7 下線部⑦(三十年戦争へフランスの介入)に関連して、三十年戦争はそれが始まった時点と終わった時点では戦争の性格が変化していた。その変化について、以下の語句をすべて用いて100字以内で説明しなさい。(フランス ハプスブルク ベーメン)

2⃣ 問14 波線部(日本の韓国併合云々)に関連して、日本が韓国を併合していく過程を、以下の語句をすべて用いて120字以内で説明しなさい。(高宗 朝鮮総督府 統監府 日韓協約 ハーグ万国平和会議 武断政治 保護国化)
文字数:100~200字前後

範囲:近世~現代

内容:政治・経済・社会史
経済学部(国際経済、経済)
[一般、英語外部検定試験利用]
<2020年度>
Ⅰ13 軍管区制とプロノイア制との違いを100字以内で論述。

<2019年度>
問7
下線部⑦(分割統治云々)に関連して、その典型的な事例のひとつである古代ローマ共和制末期の「分割統治」を以下の語句をすべて用いて100字以内で説明しなさい。
(同盟 ローマ市民権)

問8
下線部⑦(分割統治云々)に関連して、1905年に出された政令は、インド統治におけるその典型的な適用事例である。その政令をaに、また、その政令の内容をbに50字以内で記入しなさい。

<2018年度>
現在、ラテンアメリカのほとんどの国の公用語はスペイン語であり、ポルトガル語を公用語とするくにはブラジルだけである。ブラジルだけでポルトガル語が使用されることになった原因を、以下の語句をすべて用いて120字以内で説明しなさい。
(1494年 1500年 ポルトガル スペイン)
文字数:100字前後

範囲:古代~近代

内容:政治・経済・社会史

中央大学の論述問題では、

  • 文字数:30字前後/約100字/100~200字
  • 範囲:全範囲
  • 内容:政治・外交・社会(政治+文化)史

が例年出題されています。

学習院大学 論述問題が出題される学部と論述問題の傾向

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学部名解答形式出題傾向
文学部マーク式、記述式、論述形式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史
経済学部マーク式、記述式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史
法学部マーク式、記述式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史
国際社会科学部マーク式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史

まとめてみると、文学部で論述問題が出題されています。

文学部の論述問題の傾向

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学部名出題例特徴
文学部<2021年度>
次の主題A・Bについて、与えられたキーワードをすべて用いて、200字以内で歴史的に論述しなさい。
A 宋代における商業・都市の発達について論述しなさい。 (貨幣経済 鎮 同業組合)
B 前1200年ころにミケーネ文明が崩壊してから地中海周辺の地域へのギリシア人の植民活動が展開するまでのギリシアの歴史について、論述しなさい。 (鉄器 集住 ヘレネス)

<2020年度>
Ⅴ 200字以内での論述問題
A 200年続いた後漢王朝を崩壊させるきっかとなった宗教農民反乱はどのようなものか。(黄巾の乱・張角・太平道)
B 西洋中世都市における市民の権力獲得について。(大商人・身分制議会・ギルド)

<2019年度>
5⃣ 次の主題A・Bについて、与えられたキーワードをすべて用いて、200字以内で歴史的に論述しなさい。
A 18世紀から19世紀初頭にかけての清代の社会の変容を、人口増加や移住、農民反乱などの問題に注目しつつ論述しなさい。(地丁銀 新大陸産作物 白蓮教)
B ローマ帝政後期における専制君主政の成立のは背景となった歴史的状況および成立後の政治、宗教について論述しなさい。 (3世紀の危機 四分統治 ミラノ勅令)
文字数:200字前後

範囲:古代~近代

内容:政治・経済・社会史

学習院大学の論述問題では、

  • 文字数:200字
  • 範囲:全範囲
  • 内容:政治・外交・社会(政治+文化)史

が例年出題されています。

津田塾大学 論述問題が出題される学部と論述問題の傾向

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学部名解答形式出題傾向
学芸学部マーク式、記述式、論述形式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史
総合政策学部マーク式、記述式範囲:通史
分野:政治・経済・社会史
地域:欧米史・アジア史

津田塾大学では、学芸学部で論述問題が出題されています。

学芸学部 論述問題の傾向

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学部名出題例特徴
国際関係学科
A方式
<2021年度>
1⃣ 問4
波線部あ(インド古典文化)について、グプタ朝期には、代表的な文芸作品や法典が整えられるとなど、現在もインドで広く信奉されている宗教の基礎が形成された。この過程について、以下の語をすべて用いて説明しなさい。(200字以内)(サンスクリット語 バラモン教 ヒンドゥー教)

<2020年度>
イギリス連邦が法制化された当時、世界恐慌の影響が広がっていた。イギリスにおいて、マクドナルドを首相とした労働党の内閣、また、マクドナルドを引き続き首相としながら保守党・自由党などによる連立内閣が、どのように世界恐慌の影響に対応しようとしたのか、述べなさい。(200字以内)(失業保険の削減 金本位制停止 スターリング=ブロック) 

<2019年度>
1⃣ 問2 下線部A(核兵器の反対運動)の背景となった、1940年代末からの核開発競争と1950年代の反核運動の具体的な展開について、述べなさい。(200字以内)(水素爆弾 第五福竜丸 パグウォッシュ会議

3⃣ 問5 下線部D(康有為)の人物が唱えた独自の儒教解釈について説明しなさい。
文字数:200~300字

範囲:古代~現代

内容:政治・経済・社会史

英語英文学科、多文化・国際協力学科<2021年度>
1⃣ 問4
波線部あ(国際連盟)に関連して、1933年に日本は国際連盟から脱退を通告し、それは国際協調体制を崩壊させる一因となった。満州事変の勃発から日本の国際連盟脱退までの経緯について、次の語をすべて用いて述べなさい。(200字以内)(柳条湖事件 溥儀 リットン調査団)

<2020年度>
近代における「自然法思想」とはどのようなものか、次の語をすべて用いて説明しなさい。(200字以内)(グロティウス ホッブズ ロック)

<2019年度>
1⃣ 問4
下線部C(反乱軍)の一国、イタリアが、エチオピアに侵攻してから、すでに国際連盟を脱退していた国々と結束を強め、ついに国際連盟を脱退するまでの経緯を、次の語をすべて用いて述べなさい。(200字以内)(経済制裁 スペイン内戦 三国防共協定)

2⃣ 問4
下線部C(唐)が周辺異民族に対してとった政策は羈縻政策と呼ばれる。どのような政策か、説明しなさい。
文字数:200~300字

範囲:古代~現代

内容:政治・経済・社会史

津田塾大学の論述問題では、

  • 文字数:200~300字
  • 範囲:全範囲
  • 内容:政治・外交・社会(政治+文化)史

が例年出題されています。

青山学院大学 論述問題が出題される学部と論述問題の傾向

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学部名偏差値解答形式頻出主題傾向
総合文化政策学部65※総合問題・時代:古代~現代の全範囲
・内容:政治・経済・社会・文化
経済学部62.5~65マーク・記述〃〃
国際政治経済学部62.5~65〃〃〃〃
教育人間科学部62.5〃〃〃〃
法学部60~62.5〃〃〃〃
経営学部60~62.5〃〃〃〃
社会情報学部57.5~65〃〃〃〃
文学部57.5~65マーク・記述・論述式(史学科のみ)〃〃
コミュニティ人間科学部57.5〃〃〃〃

まとめてみると、文学部の史学科のみ論述式の問題が出題されます。

文学部史学科の論述問題の傾向

青山学院大学の論述問題では、

  • 文字数:350字前後
  • 範囲:全範囲
  • 内容:政治・外交・社会(政治+文化)史

が例年出題されています。

GMARCH+津田塾大学 世界史論述問題 出題学部:まとめ

改めてまとめてみると、GMARCH+津田塾大学の世界史論述の出題学部は、

【GMARCH+津田塾大学 世界史論述問題 出題学部】(2020年度)[入試方法]

・明治大学政治経済学部 [明治大学はすべて一般選抜]
・明治大学国際日本学部
・明治大学商学部
・中央大学法学部 [一般、英語外部検定試験利用]
・中央大学経済学部 [一般、英語外部検定試験利用]
・学習院大学文学部 [コア]
・津田塾大学学芸学部 [A方式]

・青山学院大学文学部(史学科)

以上になり、そして、GMARCH+津田塾の論述の特徴は、

GMARCH論述の特徴

  • 小論述=60字以内(中央法学部)
  • 中論述=約100~150字以内(中央経済学部、明治国際日本・商)
  • 大論述=約200~300字(明治政治経済、学習院文、津田塾学芸
       =約300~400字(青山学院文学部史学科

に分けることが出来ます。

なので、この三種類の分けて対策を行っていきます。

GMARCH 論述対策の5ステップ

ここからは具体的な論述の対策方法について解説していきます。

ステップ①:1から論述対策をしたい初心者へ

初心者の方は、下記の記事で論述問題対策の基礎から学んでください。

なぜなら、この基礎を学ばないと、志望校対策をしてもなにもできない状態になってしまいます。

まずは、基礎を身につけて志望校対策に入っていきましょう。

ステップ②:対策の基準は「文字数」であることを知る

上であげたように、GMARCHの論述の文字数は下のようになります。

GMARCH論述の特徴

  • 小論述=60字以内(中央法学部)
  • 中論述=約100~150字以内(中央経済学部、明治国際日本・商)
  • 大論述=約200~300字(明治政治経済、学習院文、津田塾学芸
       =約300~400字(青山学院文学部史学科

この中から自分の志望校を選んで対策していきます。

ステップ③:小論述(中央法学部)&中論述(中央経済学部、明治国際日本・商)対策

まずは小論述(60字以内、中央法学部)と中論述(約100~150字以内、中央経済学部、明治国際日本・商)の対策についてです。

結論から言えば、「東大世界史の第2問」を解けば大丈夫です。

なぜなら、東大の第2問は60~120文字前後の論述の良問の宝庫です。

例えば、

【2011年度の問題】 ※1行=約30文字
第2問 問(3)
(a)「この宣言(モンロー宣言)の内容を2行(約60文字)以内で説明しなさい。
(b)「この戦争後(米西戦争後)におけるアメリカ合衆国の対中国政策の特徴を3行(約90文字)以内で説明しなさい。」
問(2)「 明から清の前期(17世紀末まで)にかけて、対外貿易と朝貢との関係がどのように変化したか、海禁政策に着目しながら、4行(約120文字)以内で説明しなさい。」

と、文字数でも内容でも良質な問題が毎年大体5問は出題されています。
上の駿台からの過去問集(通称青本)で対策すれば、世界史を得意科目に出来るのは、間違いありません。

ステップ④:大論述(明治政治経済、学習院文、津田塾学芸対策

次に、大論述(200~350字、明治政治経済、学習院文、津田塾学芸)の対策です。


これは、一橋大学の世界史過去問がおすすめです。


何故なら、一橋大学の問題は、

《一橋 世界史論述の特徴》
・400字の論述(400字を対策すれば、200~300字は対策ができる)
・内容が200字×2で書く問題が多い
・歴史の縦の流れを書く問題が多い(私大世界史は基本的に縦の流れを書く)

という特徴があり、私大の大論述対策にうってつけだからです。

これはどういうことかと言うと、例えば、

【2019年度】
Ⅱ問「第二次百年戦争とも呼ばれるイギリスとフランスとの争いについて、両国の対決の背景及び1763年に至るまでの戦いの経緯を説明し、この争いの結末がその後の世界史にどのような影響を及ぼしたかを述べなさい」(400字以内)


一見すると、ただの400字以内の論述問題ですが、この問題は分割すると、
前置きやまとめ:50~100文字
②一方の縦の歴史(今回はフランス):120~170字
③他方の縦の歴史(今回はイギリス):120~170字
のように、大論述の文字配分と大体同じになります。
①+②(もしくは③)=約200~270字、となり、文字数の対策としてぴったりですし、内容も今回紹介した明治大学政治経済学部の「アメリカ独立革命がどのように実現されていったか(200~240字)」のような、流れ(+影響も書けるとなお良し)の問題にも合致しています。

なので、大論述(200~350字)が出る、明治政治経済、学習院文、津田塾学芸、青山学院文学部史学科志望の人は、一橋の過去問をやってみてください。

一橋の過去問を使う際の超重要な注意点

※ただ、1つ注意点があります。
それは、「一橋過去問で難易度が[超難]の問題はやらなくて良い」ということです。

一橋の赤本には、各問題ごとに難易度が書いてあるのですが、「超難」は文字通り、超ムズなのでやらなくて大丈夫です笑

一応、やった方が良い年の問題・そうでない問題をまとめておいたので、参考にしてください。

[1] 大論述Ⅰ

年度内容難易度〇=やるべき問題
×=やらなくても良い問題
2019ヨーロッパの身分制議会の成立と変化標準
201811~13世紀の「空間革命」と経済・社会・文化上の変化超難×
2017新大陸産の銀流入の変化がスペイン衰退と16~17世紀のヨーロッパ経済に与えた影響標準
2016聖トマスとアリストテレスの「都市国家」論の相違やや難×
2015カールの戴冠の背景とその歴史的影響超難×
2014ワット=タイラーの乱の政治・社会上の背景×
2013ドイツの東方植民とその経済史的意義やや難
2012ナント勅令公布までの経緯とその目的超難×
2011叙任権闘争の意義超難×
2010叙任権闘争の意義超難
2009「カール大帝の帝国」成立の歴史的経緯標準
2008ハンザ同盟の衰退標準
2007東フランクからザクセン朝までの政治的経緯やや難
2006オットー1世戴冠の歴史的意義標準
2005中世ヨーロッパの身分制議会超難×
2004ドイツ・イギリスの宗教改革とその政治的帰結標準
2003オスマントルコの進出と東西キリスト教世界の交流超難×
2002叙任権闘争やや難
200110世紀後半から11世紀の地中海の展開やや難
2000オーストリア=ハプスブルク家の発展やや難
※『一橋大の世界史20カ年』(教学社) 参照

[2] 大論述Ⅱ・中論述Ⅰ

年度内容難易度〇=やるべき問題
×=やらなくても良い問題
2019第二次百年戦争の背景・経緯・影響標準
2018ドイツの歴史学派経済学と近代歴史学の相違とその成立背景超難×
2017⑴トルデシリャス条約⑵ハイチとアメリカ合衆国の奴隷解放⑶ラテンアメリカの独立運動とブラジル独立やや難
201618世紀にフランス大聖堂と聖ルートヴィヒ聖堂が建設された理由やや難×
2015ヨーロッパ共同体と東南アジア諸国連合やや難×
2014エンゲルスの歴史観と西スラブ人の歴史超難×
2013フランス革命における「革命」の意味超難×
2012国際連盟と国際連動の成立とその問題点
2011⑴パリ=コミューン⑵19世紀後半のヨーロッパの国際関係
2010⑴1869年に完成した世界の交通網⑵19世紀後半のヨーロッパの国際関係やや難×
200918世紀なかばの「グローバルな紛争」やや難
2008⑴米西戦争の原因⑵米西戦争がフィリピン独立運動に与えた影響⑶米西戦争後~太平洋戦争開戦に至るまでのアメリカ合衆国のアジア政策やや難
2007フランス革命の歴史的背景やや難×
2006⑴中世の市民をめぐる一般的状況⑵ケルン大聖堂建立の政治的・文化的状況やや難難×
2005冷戦期の国際政治に核兵器が果たした歴史的役割やや難
2004⑴ピョートル1世時代の西欧政治と経済⑵ピョートル1世の諸改革超難×
2003⑴アメリカ合衆国の共和党の特徴⑵中南米における奴隷貿易の衰退と背景超難×
2002フランス二月革命の原因。結果・限界超難〇※超難となっているが、良く問われる内容であるため、やった方がよし
2001絶対主義の特徴超難×
2000⑴アメリカ合衆国とヴェトナム戦争との関係⑵戦争介入がアメリカ社会と対外関係に与えた影響やや難
※『一橋大の世界史20カ年』(教学社) 参照

[3] 大論述Ⅲ・中論述Ⅱ・小論述

年度内容難易度〇=やるべき問題
×=やらなくても良い問題
20191949念までの中国国民党と中国共産党の政治史標準
2018三・一独立運動と五・四運動標準
2017泉州を取り巻く11~13世紀の国際関係×
2016朝鮮戦争が中国・台湾の政治に与えた影響
2015清朝の対外関係の特徴とその崩壊過程やや難
2014⑴清朝が明朝に代わって中国を支配した経緯⑵16世紀末から17世紀末に至る朝鮮と明朝・女真・清朝との関係やや難
2013A.清朝の革命派と立憲派の論争B.1880~90年代における朝鮮の開化派の改革
2012⑴19世紀のイギリスの東南アジア支配⑵19世紀の清朝の交易体制とその後の変化やや難
2011⑴17世紀におけるオランダのアジア進出⑵三藩の乱の経緯と歴史的意義標準
2010⑴平和十原則⑵西安事件⑶国民会議派やや難
2009A.世界恐慌とインドB.1920年代後半から1940年代前半に至る日本植民地支配下の朝鮮×
2008⑴日本の韓国併合⑵「光緒新政」とその結果やや難
2007⑴太平天国の乱と郷勇⑵洋務運動⑶1870~80年代における清の対ロシア・フランス外交やや難
2006⑴ムガル帝国の統治⑵清朝の統治、典礼問題やや難
2005インド人と中国人の海外移動超難×
2004A.サファヴィー朝とムガル帝国の成立経緯B.新文化運動と五・四運動やや難
2003A.洋務運動と変法運動B.中東問題の起源やや難
2002A.北京議定書B.日本の植民地支配政策の変換やや難
2001A.インドの古代文明B.4~7世紀の朝鮮半島標準×
2000⑴ヨーロッパ諸国の対アジア貿易ルート⑵18世紀のイギリスの三角貿易⑶香港の歴史⑴やや難その他:標準
※『一橋大の世界史20カ年』(教学社) 参照

ステップ⑤:大論述(青山学院大学 文学部史学科)対策

最後に青山学院大学文学部史学科の対策を紹介します。

結論から言うと、筑波大学の問題が最適です。

理由は2つあります。

筑波大学が青山学院文学部史学科対策になる理由

  1. 筑波大学が約400文字、青学が約350字と文字数制限が近いから
  2. 問題の傾向(時代・地域・指定語句の数)が似ているから

この理由を問題例を見ながら具体的に説明します。

スクロールできます
青山学院の問題例筑波大学の問題例
<2022年>
Ⅳ 次の設問A・Bのうちから一つ選びなさい。
【A】西晋から南北朝に至る時期の政治や社会の動きを、以下の語句をすべて用いて350字以内で説明しなさい。
(五胡十六国 永嘉の乱 司馬睿 東晋 建康 陶淵明 江南 王羲之 貴族 清談 竹林の七賢)

【B】1815~1914年の間のヨーロッパの国際体制について、以下の頭語をすべて用いて350字以内で説明しなさい。
(ウィーン体制 クリミア戦争 三帝同盟 三国協商 三国同盟 正統主義 1848年革命 勢力均衡)

<2021年度>
Ⅳ 次の設問A・Bのうちから一つ選びなさい。
【A】 8世紀から15世紀にかけてのイベリア半島の状況について、以下の語句を全て用いて350字以内で説明しなさい。
(カスティリャ ムワッヒド朝 西ゴート王国 ナスル朝 アッバース朝)

【B】 16~17世紀のアジアにおけるキリスト教の展開を、以下の語句をすべて用いて350字以内で説明しなさい。
(対抗宗教改革 フェルビースト ブーヴェ マテオ・リッチ フィリピン 典礼問題)
<2022年>
Ⅰ ヘレニズム時代におけるエジプトとその周辺の歴史について、以下の語句を用いて説明しなさい。 ※約400文字
(アントニウス カルタゴ 属州 ディアドコイ ムセイオン)

Ⅱ 17世紀から第二次世界大戦勃発前までのオランダの東南アジア進出について、他のヨーロッパ諸国や現地勢力との関係に言及しながら、以下の語句を用いて説明しなさい。
(インドネシア国民党 オランダ東インド会社 強制栽培制度 ポルトガル マレー半島)

Ⅲ 中国共産党に関係する1910年第から1930年代にかけての歴史について、以下の語句を用いて説明しなさい。
(延安 上海クーデタ 帝国主義的特権の放棄 八・一宣伝 李大釗)

Ⅳ 1920年代のアメリカ社会の特徴について、以下の語句を用いて説明しなさい。
(移民法 クー=クラックス=クラン 孤立主義 債権国 フォード)

どちらも見比べると、共通点がわかってきます。

青山学院と筑波大学の論述問題の共通点

  1. 筑波大学が約400文字、青学が約350字と文字数制限が近い
    (厳密に言えば筑波は文字数制限はないが、だいたい400字)
  2. どちらも時代が幅広く出題される(特に古代から近代)
  3. どちらも地域が幅広く出題される(特に西アジア・中国・欧米)
  4. 語句指定の数も似ている
    (青学の方が若干多いが、少ない指定語句で書く方が勉強になるため、筑波でちょっと難しい問題になれていれば、青学本番でも点が取れる)

また、青山学院の論述問題は入試改革を最近したこともあり、過去問がほとんどありません
なので、筑波大学の過去問で演習することができます

おそらく、青学自体が国立や早慶に届かなかった生徒を取りたいので、難易度が上がっているのだと思います。
問題が似ていれば併願しやすいですからね。
ただ、そのおかげで難易度は全体的に上がっています。

おまけ:GMARCH 学部別論述難易度

基本的に私大世界史の場合、難易度は文字数が多い方が難しいです。
なので、学部別にランキングするなら、

青山学院文学部史学科>明治政治経済=学習院文=津田塾学芸>中央経済学部=明治国際日本・商>中央法学部

となります。
特に200字以上の論述問題(青山学院文学部史学科・明治政治経済・学習院文・津田塾学芸)は、対策しないと歯が立たないので、どれだけ遅くとも高3の夏には対策を始めましょう。

最後に:論述をやって損は絶対に無い!!!

今回はGMARCHの論述問題に絞って解説をしました。
しかし、僕自身は「GMARCHは論述が出ない学部でも論述問題は解いた方が良い」と思っています。

それは、「論述問題は世界史の偏差値を飛躍的に上げる問題」だからです。
流れだったり、影響だったり、世界史の受験に必要なエッセンスをもれなく吸収できます。
そうすれば、他の問題が解けるようになったり、共通テスト対策にも活かせるので、やらない手はありません。
もし、この記事を読んで疑問や興味が出てきた人は遠慮なく、コメントしてもらえればと思います。

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