難しい論述問題も解ける!【上智大学 世界史対策】

・上智大学に合格したいけど、世界史の対策方法がわからない…
・対策方法とか、おすすめの参考書が知りたいな…

今回の記事は、上のような受験生の悩みを解決できる記事になっています。

上智大学は2014年度までは一般的な私立大学のマーク式問題でしたが、2015年度から250文字以上、文字数が多い時は400文字前後の論述問題を課すようになってきました。

そのため、受験生はこの論述問題に対応できるようにならなければなりません。

今回の記事では、前半で上智大学の問題の傾向を紹介し、後半では実際に受かるためのステップについて詳しく解説していきます。

この記事を書いている僕は、受験指導歴は約9年、元高校教員で最難関クラスの担任であり指導した生徒には、コース初の早稲田合格者、偏差値73.6や共通テスト(旧センター試験)で95点、MARCH以上の私大入試で9割以上をとり、志望校に合格した生徒がいます。

上智大学を目指している学生は参考にしてください。

目次

上智大学 各学部 世界史の特徴

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学部名偏差値解答形式頻出主題傾向
経済学部60~70※全学部TEAP利用・全学部同じ問題・時代:(古代)中世~現代の全範囲
※古代史はほぼ出題されない、中世~近代が最も多い
・内容:政治・経済・社会(・文化)
総合人間科学部55~70〃〃〃〃
外国語学部57.5~65〃〃〃〃
総合グローバル学部62~65〃〃〃〃
文学部60~65〃〃〃〃
法学部62.5〃〃〃〃
神学部55〃〃〃〃

上智大学はTEAP利用型で世界史が出題されますし、どの学部も問題が一緒になります。

上智大学 世界史 全体的な特徴と出題傾向

  1. <全ての学部が同じ問題>
    TEAP利用で同一の問題が出題
  2. <中世から現代からの出題、とりわけ中世~近代が最も多い>
  3. <論述対策必須>
    問題文の読み取り・オーソドックスな論述問題が毎年出ているので、対策必須。
    出題地域としては欧米史が頻出。
    ただ、内容はそこまで難しくないので、教科書の内容を理解すれば問題なし。

上智大学 世界史 対策法と参考書

※【最重要】志望校対策に入るその前に…[基礎:マーク模試6割の壁]

「早く志望校対策をしなくちゃ…」と焦る気持ちはよくわかります。

しかし、少し待ってください。

僕は、直接生徒やこのサイトでも言っているのですが、まずマーク模試で6割(悪くても5.5割)はとらないと、各志望校の対策はできません。

なぜなら、それより下の点数は世界史の基礎が身についていない状態だからです。

そのままやっても、「なんかよくわからないけど、出来たり出来なかったりするぞ…」や「どの大学でも5割くらいはとれるけど、合格点がとれない…」という、もったいない状態になります。

なので、6割とっていない人は、こちらの記事を参考にしてください。

早く対策をしたい気持ちはわかりますが、まずは基礎を固めましょう!

6割超えた後の対策 3ステップ

上智大学の世界史は基本的に、マークの正誤問題と論述対策になるので、それぞれの対策を4ステップに分けて解説します。

  1. ステップ1:マーク対策
  2. ステップ2:論述対策
  3. ステップ3:過去問対策

ステップ1:マーク対策

上智大学の世界史は、問自体はそこまで難しくないので、正誤のマーク問題は共通テストレベルができれば問題ありません。
そのため、まずは共通テストができるようにしましょう。

また、「上智だけ受けて、他の滑り止めを全く受けない」という人はいないと思いますので、問題集もやった方が良いです。

上記の『オンリーワン』か『HISTORIA』のどちらかを選びましょう。

選び方は「併願校でどこを受けるか」によって変わります

  • GMARCH中下位(偏差値62未満、関関同立=『オンリーワン』
  • GMARCH上位(偏差値62以上)、早慶=『HISTORIA』

この基準を参考に問題集を選べば大きな問題はありません。

問題集の勉強法

  1. ※基礎が終わり、マーク模試で6割取れるようになったら、
  2. 『オンリーワン』or『HISTORIA』を一周解く(自分がすでに習った範囲で可)
  3. 解いたときに「日付、間違った問題」を書く、チェックする
  4. 二週目を解く、「9割未満の単元と日付」をチェックする
    (9割出来たところは三週目はなし)
  5. チェックした9割未満の単元を1~2週間おいてもう一度解く
  6. (時間がおけないなら、一日おきでも大丈夫)
  7. ☝を9割以上になるまで繰り返す

共通テスト過去問の勉強法

  • ※基礎が終わり、マーク模試で6割取れるようになったら、
  • 共通テストの過去問を解いてみる
    (自分が習った範囲だけで問題ないが、まだやっていないところも軽く解いて解説を見て予習する)
  • 解いたときに「日付、間違った問題」を書く、チェックする
  • 自分が出来なかった範囲を一問一答か用語集でもチェックする
    (早慶以外は一問一答で可)
  • できなかった範囲を復習する
  • 95%を目指して、2周目を解く、できなかった年度をチェックする
  • 全ての年度で95%を超えるまで繰り返す

共通テストの過去問は上智大学と難易度が変わらないので、できるようになっていると、合格の1つの指標になります。

また、共テ対策にもなるので、やっていて損はありません。

ただ、何度も言いますが、大切なのは「初見でも問題が解けること・答えを自分で解説できること」です。
回数に縛られず、できるようになるまで問題を解いて、説明できるようにしましょう。

ステップ2:論述対策

基本的な論述の勉強法は、下記の記事に記載しています。

具体的な上智対策は、一橋の過去問がおすすめです。

というのも、上智も一橋も中世~近代からの出題が多いからです。

一橋の世界史は、

《一橋 世界史論述の特徴》

・400字の論述(400字を対策すれば、200~300字は対策ができる)
・歴史の縦の流れを書く問題が多い(私大世界史は基本的に縦の流れを書く)

・中世以降の問題が頻出(上智と似ている)

という特徴があり、私立大学の論述問題にはうってつけです。

例えば、

【一橋大学 2019年度 入試問題】
Ⅱ問「第二次百年戦争とも呼ばれるイギリスとフランスとの争いについて、両国の対決の背景及び1763年に至るまでの戦いの経緯を説明し、この争いの結末がその後の世界史にどのような影響を及ぼしたかを述べなさい」

(400字以内)

一見すると、ただの400字以内の論述問題ですが、この問題は分割すると、

前置きやまとめ:50~100文字
②一方の縦の歴史(今回はフランス):120~170字
③他方の縦の歴史(今回はイギリス):120~170字

で解答することができます。
そうすると、①+②(もしくは③)=約200~270字、となり、文字数の対策としてぴったりですし、内容も私立大学で良く出題されるような、流れ(+影響も書けるとなお良し)の問題にも合致しています。
また問題傾向も中世以降なので早稲田法学部とも似ています。

※これは僕自身の予想が当たったのでプチ自慢です。
と言うのは、僕は前から「私大の200字以上の論述問題対策は一橋の過去問がうってつけ!」と言ってきました。

その中で2021年の早稲田法学部の問題は、例に出したような1700年代前期~中期にかけてのイギリスの外交問題(対フランス&オーストリア)でした。
一橋の入試で、過去2回は同じような問題がでていたので、予想が当たって嬉しかったです。

※ここまで一橋で説明してきましたが、東大の過去問を使ってももちろん良いです。
時間との兼ね合いになるので、他教科に余裕があったり、浪人生は東大の過去問をおすすめします

一橋の過去問を使う際の超重要な注意点

※ただ、1つ注意点があります。
それは、「一橋過去問で難易度が[超難]の問題はやらなくて良い」ということです。

一橋の赤本には、各問題ごとに難易度が書いてあるのですが、「超難」は文字通り、超ムズなのでやらなくて大丈夫です笑

一応、やった方が良い年の問題・そうでない問題をまとめておいたので、参考にしてください。

[1] 大論述Ⅰ

年度内容難易度〇=やるべき問題
×=やらなくても良い問題
2019ヨーロッパの身分制議会の成立と変化標準
201811~13世紀の「空間革命」と経済・社会・文化上の変化超難×
2017新大陸産の銀流入の変化がスペイン衰退と16~17世紀のヨーロッパ経済に与えた影響標準
2016聖トマスとアリストテレスの「都市国家」論の相違やや難×
2015カールの戴冠の背景とその歴史的影響超難×
2014ワット=タイラーの乱の政治・社会上の背景×
2013ドイツの東方植民とその経済史的意義やや難
2012ナント勅令公布までの経緯とその目的超難×
2011叙任権闘争の意義超難×
2010叙任権闘争の意義超難
2009「カール大帝の帝国」成立の歴史的経緯標準
2008ハンザ同盟の衰退標準
2007東フランクからザクセン朝までの政治的経緯やや難
2006オットー1世戴冠の歴史的意義標準
2005中世ヨーロッパの身分制議会超難×
2004ドイツ・イギリスの宗教改革とその政治的帰結標準
2003オスマントルコの進出と東西キリスト教世界の交流超難×
2002叙任権闘争やや難
200110世紀後半から11世紀の地中海の展開やや難
2000オーストリア=ハプスブルク家の発展やや難
※『一橋大の世界史20カ年』(教学社) 参照

[2] 大論述Ⅱ・中論述Ⅰ

年度内容難易度〇=やるべき問題
×=やらなくても良い問題
2019第二次百年戦争の背景・経緯・影響標準
2018ドイツの歴史学派経済学と近代歴史学の相違とその成立背景超難×
2017⑴トルデシリャス条約⑵ハイチとアメリカ合衆国の奴隷解放⑶ラテンアメリカの独立運動とブラジル独立やや難
201618世紀にフランス大聖堂と聖ルートヴィヒ聖堂が建設された理由やや難×
2015ヨーロッパ共同体と東南アジア諸国連合やや難×
2014エンゲルスの歴史観と西スラブ人の歴史超難×
2013フランス革命における「革命」の意味超難×
2012国際連盟と国際連動の成立とその問題点
2011⑴パリ=コミューン⑵19世紀後半のヨーロッパの国際関係
2010⑴1869年に完成した世界の交通網⑵19世紀後半のヨーロッパの国際関係やや難×
200918世紀なかばの「グローバルな紛争」やや難
2008⑴米西戦争の原因⑵米西戦争がフィリピン独立運動に与えた影響⑶米西戦争後~太平洋戦争開戦に至るまでのアメリカ合衆国のアジア政策やや難
2007フランス革命の歴史的背景やや難×
2006⑴中世の市民をめぐる一般的状況⑵ケルン大聖堂建立の政治的・文化的状況やや難難×
2005冷戦期の国際政治に核兵器が果たした歴史的役割やや難
2004⑴ピョートル1世時代の西欧政治と経済⑵ピョートル1世の諸改革超難×
2003⑴アメリカ合衆国の共和党の特徴⑵中南米における奴隷貿易の衰退と背景超難×
2002フランス二月革命の原因・結果・限界超難〇※超難となっているが、良く問われる内容であるため、やった方がよし
2001絶対主義の特徴超難×
2000⑴アメリカ合衆国とヴェトナム戦争との関係⑵戦争介入がアメリカ社会と対外関係に与えた影響やや難
※『一橋大の世界史20カ年』(教学社) 参照

[3] 大論述Ⅲ・中論述Ⅱ・小論述

年度内容難易度〇=やるべき問題
×=やらなくても良い問題
20191949念までの中国国民党と中国共産党の政治史標準
2018三・一独立運動と五・四運動標準
2017泉州を取り巻く11~13世紀の国際関係×
2016朝鮮戦争が中国・台湾の政治に与えた影響
2015清朝の対外関係の特徴とその崩壊過程やや難
2014⑴清朝が明朝に代わって中国を支配した経緯⑵16世紀末から17世紀末に至る朝鮮と明朝・女真・清朝との関係やや難
2013A.清朝の革命派と立憲派の論争B.1880~90年代における朝鮮の開化派の改革
2012⑴19世紀のイギリスの東南アジア支配⑵19世紀の清朝の交易体制とその後の変化やや難
2011⑴17世紀におけるオランダのアジア進出⑵三藩の乱の経緯と歴史的意義標準
2010⑴平和十原則⑵西安事件⑶国民会議派やや難
2009A.世界恐慌とインドB.1920年代後半から1940年代前半に至る日本植民地支配下の朝鮮×
2008⑴日本の韓国併合⑵「光緒新政」とその結果やや難
2007⑴太平天国の乱と郷勇⑵洋務運動⑶1870~80年代における清の対ロシア・フランス外交やや難
2006⑴ムガル帝国の統治⑵清朝の統治、典礼問題やや難
2005インド人と中国人の海外移動超難×
2004A.サファヴィー朝とムガル帝国の成立経緯B.新文化運動と五・四運動やや難
2003A.洋務運動と変法運動B.中東問題の起源やや難
2002A.北京議定書B.日本の植民地支配政策の変換やや難
2001A.インドの古代文明B.4~7世紀の朝鮮半島標準×
2000⑴ヨーロッパ諸国の対アジア貿易ルート⑵18世紀のイギリスの三角貿易⑶香港の歴史⑴やや難その他:標準
※『一橋大の世界史20カ年』(教学社) 参照

今あげた問題をすべてできるようになると良いでしょう。
更に余裕があれば、これより前の年度までできると、尚良いです。

ステップ③:過去問対策

上智であれば、以前と問題傾向が変わった2015年度から過去問を解いて、しっかりと復習することが大切です。
(大切なのは「解ける・解いた問題の解説ができる」まで復習することです)

なぜなら、早慶だけでなくGMARCHや難関国公立でもそうですが、このあたりの大学は過去問演習が合格に直結してきます。

ただ、上記のマーク対策や論述対策がしっかりできていれば、得点できる可能性は高いので、何度も読んでやり方を身につけてください。

上智の世界史は基礎+論述対策が合格のカギ

上智は、マーク問題は基礎、論述問題が配点の大半を占めていると思われるので、基礎と論述の対策が重要です。

今回、紹介した方法をしっかりと頭に入れて、勉強を続けてください。

ここまでしっかりと読めた人は、受験でも頑張れます。
ぜひ、自分の行きたい大学に向けてがんばってください。

以上、もっちゃんでしたー!

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